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新規個別指導でも確認される、カルテ記載(SOAP)と記録の基本

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行政指導における具体的な失敗事例と成功事例をお伝えしています。前回まではカルテ1号用紙の記載方法を示しました。今回からは2号用紙の記載方法を説明します。
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カルテは診療に必要な情報を網羅的に記載することが大切です。しかし、時系列に記載をしなければ情報が見にくくなり、次回以降の診察時に「見落とし」の原因となります。

そこで、カルテでは「SOAP」という記録方法が採用されており、特に初診時にはSOAPに沿った記載をするのが望ましいとされています。

厚生労働省保険局医療課の「 保険診療確認事項リスト」にも示されている下記部分にあたります。(一部抜粋)

指導時の指摘項目(一部抜粋)


・【労務不能に関する意見、公費負担、主訴、初診時の口腔内所見、点数、負担金徴収額、傷病名、開始年月日、終了年月日、転帰】を記載する欄がない例が認められる。
・保険医は、診療録が保険請求の根拠であることを認識し、必要な事項を十分に記載すること。
・保険医は、診療の都度、遅滞なく診療録の記載を行うこと。
・【主訴、口腔内所見】について記載がない、不十分である。
・診療録第2面(療担規則様式第一号(二)の2)の記載内容に次の例が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。
【症状、所見、診療方針、診療月日、部位、点数、負担金徴収額、 】について記載がない、不十分である、画一的である。


カルテ記載のSOAPとは、患者さんの情報を体系的に整理し、誰が読んでも治療の経緯や計画を明確に理解できるようにする、また診療のエビデンスを明確に示す方法です。

行政指導においても重要視され記載の有無や内容は指導の結果を大きく左右します。

SOAPとは

SOAPは、以下の4つの要素の頭文字から構成されています。「Subject(主観的情報)」「Object(客観的情報)」「Assessment(評価)」「Plan(計画)」の順に体系立てて診療の情報をカルテ記載する方法です。それぞれどのような意味をもっているのか詳しくみていきましょう。

S「Subject(主観的情報)」

患者さん自身が訴える自覚症状、痛み、病歴、生活習慣など、問診を通じて得られた主観的な情報です。病歴などから得られる主観的情報を記載します。

カルテ記載のポイントは患者さんが訴えたそのままの言葉で記載します。

例:「右上奥歯がズキズキと痛い」
  「右下が腫れている。痛みもある。」
  「どこか分からないが、全体的に冷たいものがしみる」 など

診察時に患者が訴えた症状に加え、病歴や既往歴なども主観的情報に含まれます。主観的情報は患者が自主的に訴えたことだけでなく、何気ない会話の中から細かい部分まで拾うことがポイントです。

「S」には患者さんの訴えだけでなく、家族や施設職員などから得られる情報も含まれます。とくに意思疎通が難しい小児や高齢者の場合は本人だけでなく、周囲の方からも正しく情報が得られる問診を心がけましょう。

なお、主訴がない、症状が安定しており変わらない場合もその旨を残さず記載することにより経過観察が容易になります。

O「Object(客観的情報)」

歯科医師や歯科衛生士による視診、触診、検査(レントゲン、歯周組織検査など)、患者の行動観察といった客観的に得られた事実やデータです。

客観的情報だけでは正確な症状や病名が判断できないため、根拠となるデータなどを記載します。たとえば息苦しい症状のある患者に対して実施したバイタルチェックのデータは、客観的情報にあてはまります。

例えば歯科医師や歯科衛生士による視診、触診、検査(レントゲン、歯周組織検査など)、患者の行動観察といった客観的に得られた事実やデータが該当します

例:歯周ポケットの深さの測定値
  特定の部位の炎症所見、など

A「Assessment(評価)」

SとOの情報に基づき、患者の口腔内の状態や問題点、病態の原因、進行状況などを専門的見地から評価・分析することを指します。

たとえば「痛い」という主観的情報と「触診の異常、レントゲンでみられた異常」という客観的情報を踏まえ診察や検査を通して患者の状態や症状を総合的に判断することがA(評価)に当たります

例:歯周病と診断
  歯牙の齲蝕の進行度
  歯肉膿瘍の状態 など

P「Plan(計画)」

Aの評価に基づき、今後どのような治療や指導を行っていくかという具体的な治療計画や処置方針を提示します。主に治療計画の立案に活用される項目であり、症状の治癒や怪我の回復のために提供すべきことを記載します。計画が明確に記されていれば担当医師が変更になっても統一した治療が提供でき、患者の効率的な治癒に貢献します。

例:歯石除去の実施、ブラッシング指導
  炎症を起こしている歯肉から膿を排出し、その後に洗浄とドレナージを行う
  次回の治療内容 など

SOAPだけではない記載が必須の事項

カルテはSOAPだけではなく「既往歴」「歯科的既往歴」も記載が必要です。

過去に患った病気やケガ、治療、手術、アレルギー、現在服用中の薬など、全身の状態に関するすべてを指します。これは、歯科治療の際に全身的な健康状態との関連性を考慮し、治療方針の決定や安全を確保するために非常に重要です。

例:(既往歴)
  病歴:過去に罹患した病気(完治したもの、現在治療中のものを含む)
  治療・手術歴:入院、手術、通院治療などの履歴
  アレルギー:医薬品、食物、ラテックスなど、アレルギー反応を引き起こす可能性のあるもの
  服用中の薬:現在使用している薬の名前や種類、副作用のリスク

例:(歯科的既往歴)
  歯科的既往歴:過去の口腔内の疾患、浸麻にてアナフィラキシー症状を発症 など

その他:交通事故、出産経験、飲酒歴、喫煙歴、生活習慣 など

※特に記載事項なければ「特記事項なし」と記載します


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行政指導でのSOAPは重要

行政による新規個別指導や個別指導では、カルテに記載された診療内容が適切かつ明確に記録されているかが確認されます。SOAP形式で記録することで、以下の点が明確になり、適切な保険診療のエビデンスとなります。

H-3患者さんの抱える問題点(A)が、主観的情報(S)と客観的情報(O)に基づいて論理的に導き出されているか?

計画(P)されている治療や指導が、評価(A)された問題点に対して適切であるか?

これらはSOAP記載することで医療従事者間での情報共有がスムーズに行え、一貫した治療を提供できます。

SOAP入力するデメリット

SOAPによるカルテ記載は診療内容の整理がしやすく、記載者以外の歯科医師や歯科衛生士、スタッフが後から見てもわかりやすい反面、記載するのに時間がかかります。そのため、実際の現場ではSOAPで運用することが難しいかもしれません。

また、SOAPは一つの問題に対する評価や計画を記載するため、同時に複数の症状がある患者さんの場合は、情報がまとまりづらくなるかもしれません。

主観的情報や客観的情報の項目に診断と関連性のない情報を記載したり、過剰な鑑別診断を入れ込んだりすると情報量過多のカルテになってしまいます。

そのため日常的な使いやすさや活用のしやすさにおいて、どのようなレセコンを使うかは重要です。

レセコンは、クラウド型・オンプレミス型・ハイブリッド型の選択肢があります。それぞれ異なる特徴をもつため、比較検討が欠かせません。

各々の医療機関独自のカスタマイズが可能な機能も必要です。

開業前に慎重にレセコンを選び、資料請求やデモ予約など、必要な情報を収集し選択しましょう。

さらに深く学びたい方向けに

この記事では「SOAPの基本」を中心に解説しましたが、

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著者紹介

著者:鶴巻 ひとみ (医療事務コンサルタント/レセ基地代表)
ソフトウェアメーカーを経て、歯科診療報酬の専門家としてキャリアを築く。これまで全国1,600件以上の歯科医療機関をサポートし、実務に基づいた豊富な経験と実績を持つ。
また、各地の歯科医師会、医療法人、歯科関連企業を対象に、診療報酬請求に関する研修会を多数実施。現場の課題に即した分かりやすい指導に定評がある。

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